導入事例

ID棚卸を属人化から脱却。ユーザーのリスクオーナーの醸成へ。
ID棚卸を属人化から脱却。ユーザーのリスクオーナーの醸成へ。
auカブコム証券株式会社
URL:https://kabu.com/
設立:1999年
資本金:71億9,600万円
従業員数:141名
事業内容:ネット専業証券会社として金融サービスを提供

2019年に創立20周年を迎えたauカブコム証券株式会社。三菱UFJフィナンシャル・グループの一員であるとともに、近年はKDDIと共にスマートフォンを軸としたモバイルサービスの更なる拡がりを進めています。
また社内業務においては社内コミュニケーションの活性化や活動の可視化を推進し、自動化できる範囲を増やし、属人化からの脱却に取り組んでいます。

今回は、同社のシステムリスク管理室長・石川さんと、スペシャリスト・矢野さんに導入当初の課題や導入効果を伺いました。

前バージョンではID棚卸を1か月から1週間に。新たな課題は、棚卸対象システムの拡大。

auカブコム証券株式会社 システムリスク管理室長 石川さん

auカブコム証券株式会社 システムリスク管理室長 石川さん

──2年前の話になってしまいますが、前バージョンの導入のきっかけについて教えてください。

石川さん:当時から、SaaSなどいいツールがあれば積極的に使っていくべきだと考えていました。ただ、あわせて増加するIDの管理として誰がどのサービスを使っているか見えるようにしておくべきだと考えていました。

アカンサス導入前は、各システムの担当者が個別にID台帳をExcelで管理していました。ただ、それだと煩雑で負荷も高く不確実性も課題だと感じてて。ほら、Excelってファイル開くだけでも時間取られるでしょう。担当者のExcelスキルによっては属人的になっていきがちだし。だから、Excel依存はやめたくて。それに、今後も利用システム数の増加が進むことを考えると、ID棚卸を作業効率化できるツールがあればなと考えていたときに、アカンサスの提案を受け即決しました。

──前バージョンを導入して、どのような変化がありましたか?

矢野さん:アカンサス導入後は、最長1~2か月かかっていたID棚卸を1週間に短縮できるようになりました。

Excelで管理していた時と比べると棚卸作業の負荷は大幅に減りましたね。ただ、前バージョンではデータ共有機能がなかったため、特定の担当者のみの利用となってしまい、アカンサスに投入するシステムの拡大や属人的な棚卸方法の積極的な見直しが、スムーズには進まないシーンがありました。

──なるほど。ID棚卸は何名で担当されていたんですか?

矢野さん:当初は私と派遣さんの2名でID棚卸業務を実施していたんですが、アカンサスの運用は私1名で実施していました。それもID棚卸業務だけをやっている訳ではないため、他業務が繁忙期に入るとID棚卸作業を中断することがあり、IDを投入するシステム数を増やすには限界もありました。

──作業効率化は達成したものの、属人的なID棚卸の積極的な見直しが進まなかったんですね。

矢野さん:まさにその通りですね。水平展開したいところが、できていなかったという感じです。

auカブコム証券株式会社 システムリスク管理室 矢野さん

auカブコム証券株式会社 システムリスク管理室 矢野さん

ID棚卸をクラウド化。複数名体制でワンストップにID棚卸が可能に。

──新バージョン導入を決めたポイントを教えてください。

矢野さん:新バージョンは、クラウド化することができ複数名体制で利用できるようになってて。これによって、属人化しているID棚卸をチームで実施し、作業効率と正確性の両方を向上できそうだと思いました。あと、検討するにあたって新バージョンのデモを見せてもらったんですが、データの取り込みから棚卸がワンストップにできるようになっていて使い勝手も一段と向上しそうだと感じ、迷わずバージョンアップを決めました。

──前バージョン利用時の課題について、NTTテクノクロスに話す機会はありましたか?

矢野さん:前バージョンの利用が定着した頃に、NTTテクノクロスさんから要望や課題について1時間ほど対面でヒアリングさせてほしいと依頼がありました。その場で会話したいくつかの機能は新バージョンで実装されてました。
新バージョン導入後も、サポート窓口にさりげなく要望を送ったのですが毎回ものすごく真摯な回答が即時に返ってくるので驚きました(笑)

──ユーザーのお問合せは、多くの発見・気づきをいただけるので、本当に感謝してます。

矢野さん:流されるかなぁと思ってたので、あんなにちゃんと回答くれてびっくりしてます。

新バージョン利用後も同じようにヒアリングの場があったんですが、そういう現場の声を積極的に取り入れ、より実用性の高いツールへ進化させようとする姿勢は高く評価しています。

auカブコム証券株式会社 システムリスク管理室 矢野さん

1名から3名体制になり、ワンストップにID棚卸を。

──実際に新バージョンにしてから、いかがでしたでしょうか?

矢野さん:アカンサスでのID棚卸に複数名アサインが可能となったので、運用体制を3名に拡大しました。機能と画面はシンプルなので、画面を見ながら少し説明して実際に使ってもらうだけで、特別な教育などは要りませんでした。マニュアルも操作画面内にあるので、分からないことがあってもすぐ参照できてストレスなく使えるのもいいですね。

また、結構な数のIDを投入してるなか、ID所有者の突合や検索のレスポンスが非常に早いなと感じます。最初はデータ突合ボタンを押したときのレスが早すぎたので、本当に処理が終わったのか疑うレベルでした(笑)
こういったレスポンスは遅いと地味にストレスになるので、非常にいいなと思ってます。

──新体制でID棚卸ができるようになって、どのような効果が生まれましたか?

矢野さん:アカンサスへの投入対象システムの拡大が順調に進んでいます。今は繁忙期でもID棚卸作業を中断することなく利用できており、1週間に1システムのペースで拡大中です。新バージョンになってからは、3か月で新たに16システム7,456IDを投入完了しました。今後は、今年度中に93システム中28システムのID投入を予定しています。

現在は、システムリスク管理室でID棚卸の一次確認を行い、ユーザー部門で二次確認してもらっています。ユーザー部門で確認してもらう際には、データの見方に慣れていないメンバーにも分かりやすいように、社内で積極的に利用しているBIツールの「Tableau(タブロー)」に取り込み見やすくするよう工夫しています。

石川さん:矢野がこういう工夫もしてくれたこともあって、作業効率化が進んでより実効性の高い棚卸の実現に向けて踏み込んだ取り込みを進められています。ユーザー部門に管理主管を少しずつ移せるようになってきていることでリスクオーナー意識の醸成を推進できつつあると感じてます。

ID管理のセルフ化が今後ますます重要になる。

──今後のシステムリスク管理室の挑戦や、アカンサスに期待することを教えてください。

矢野さん:システムは永久に増えていくだろうし、その形態も多様化しています。数が増えると従来の中央集権的な統制は限界があり、今後はユーザー個々がオーナー意識をもって管理する「ID管理のセルフ化」がますます重要になると考えています。

石川さん:そうだね。ID棚卸を網羅的に実施し、作業効率化を実現できている今、次なるステップは質を上げていくフェーズだと思ってます。ID管理は奥深い領域であり、今後も様々な課題や要望が出てくるはず。そういった時流の変化に対してアカンサスには機能強化とともに、NTTテクノクロス社からの積極的な提案に期待してます。

──「ID管理のセルフ化」。現代のサービスや働き方を意識した非常にいいキーワードですね。

石川さん:でしょう?頑張ってね!製品の名前、変だけど!

──石川さん、矢野さん、ありがとうございました!

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