【事例紹介】多様化する働き方と業務システムに対応するID管理とは

2021/09/13
記事

テレワークの普及により働き方は多様化し、それにともない各業務システムの形態やID管理方法も複雑化し、業務負担やリスクの増大が課題となっています。
この記事では、ID 管理業務における脱 Excel を行う際の注意点や、一元的な ID 管理を実現する「アカンサス」の導入事例などをご紹介します。

目次

1. テレワーク推進によりID 管理業務に関するご相談内容に変化が

働き方の多様化

新型コロナウイルス感染症拡大により、働き方は大きく変化していっています。多くの企業は自宅での勤務を推奨し、テレワークが急拡大しました。
たとえば、1 回目の緊急事態宣言期間が終了した2020 年 6 月第 1 週までに、東京都では実に 7 割近い企業がテレワークを導入したという調査結果が出ています。
テレワークの導入に伴い、業務のオンライン化が進み、各従業員の勤務環境がオフィスから多様化したことで、ID 管理業務の負担も増加しつつあります
出典:内閣府「令和2年度年次経済財政報告」

管理する業務システムの増加・多様化

2020 年は手探りだったクラウド利用も、ここ最近は企業のセキュリティルールや手続きの整理が進んだことで、以前よりクラウドサービスを利用しやすい状況にある企業が増えています。その背景には、導入のための準備もほぼ必要なく、手軽に利用を始められ、さまざまな業務に対応するクラウドサービスが登場していることなどが挙げられます。こうした理由から、クラウドサービスの利用が増加しているのが現状です。

総務省:「令和3年版 情報通信白書」第4章2節によると、2020 年にクラウドサービスを一部でも利用した企業の割合は68.7% にのぼり、2016 年( 46.9% )に比べて 20% 以上も増加しています。クラウドサービスが普及したことで、正社員だけでなく契約社員や派遣社員、アルバイト等も利用するようになり、管理業務システムの増加・多様化も進んできました。

日々の ID 管理業務に関するご相談内容にも変化が

リモートワークの定着や業務システム形態の変化が進み、お客様からいただく ID 管理に関する相談内容にも変化がみられています。各 SaaS に関する内容や、業務システムの ID 管理を Excel で行っている場合の、台帳管理や棚卸の改善に関する相談がみられるようになりました。

この背景には、コロナ禍をきっかけにクラウド活用への意欲が一気に高まったことがあります。これまでは慎重派だった企業も、以下のような理由で社の方針を変更するようになりました。

・サービスに合わせて業務を組み立てるマインドが各従業員に醸成された
・社内の制度が整い、利用開始するまでの手続き的なハードルが下がった

しかし、誰がどのシステムを使っているのかが、担当者本人以外には分からないという懸念が新たに出始めており、このことに関する相談が増えています。この原因として、ID 台帳を個別に管理していることが挙げられます。管理するシステムの増加・多様化に伴い、以前にも増してID管理がシステムごとに分断された管理になっています。そのため、「人」単位での管理状況が見えないという状態になっています。

こうした状態では、年に 1 回の棚卸の際も、システムごとに実施するため、あるシステムでは ID の削除が必要だと判明しても他のシステムには展開されず、余計な手間や漏れのリスクが生じてしまいます。

2. 脱 Excel と言っても検討時にどのような点に気を付けるべき?

前述の通り、すでに SaaS 活用は欠かせないものであり、今後も拡大が見込まれますが、ID 台帳を脱Excel するためにどのような点に気を付けるべきでしょうか?注意すべきポイントは以下の 4 点です。

1. SaaS や業務システムの情報は、気軽に登録・削除しやすくする

1つ目は、SaaSや業務システムそのものの情報の登録や削除をしやすくすることです。
とある部署で、SaaSを使い始めようとした際に、登録の手間のハードルが高いと「管理はExcelでいいや」となってしまいます。また、SaaSの解約が手軽である特長も考慮し、削除の手間も手軽な仕組みでなければ、契約終了しているにもかかわらずID台帳が残っている状態の発生に繋がります。

2. 「人」単位で ID 情報が紐づく仕組みにする

2つ目は、「人」単位で ID 情報を整理できる仕組みにすることです。
社員が退職する際や協力会社メンバーが業務から離任する際に、その人が使っていたIDをシステムごとに探して削除することは非常に手間がかかる上、削除漏れリスクも発生します。各ID台帳上の「人」情報を基に、人を軸にしたデータ整理ができるようにすることで「退職者 IDの削除漏れ発生」を防げます。

3. 権限分掌が細かくできるようにする

3つ目は、細かい権限分掌が可能な仕組みです。
昨今は、各部門でSaaS を導入することが増え、それらの管理も各部門が実施しているケースが一般的です。そのため、1企業に多くの「管理元」が存在することになります。これまでExcel運用で対応できた参照・更新できる人の制限を変えない仕組みの作り方も重要になります。

4. 管理できるフォーマットは固定化しない

4つ目は、管理できるフォーマットは固定化しないことです。
SaaSはアップデートが頻繁にあります。そのため、ユーザー情報をエクスポートすると管理項目が変わっている事は珍しくありません。また、ID 台帳の管理項目も監査の指摘をきっかけに項目追加することが多くあります。フォーマットの変更がしにくい仕組みの場合、「とりあえずExcelで管理して、最後に整形してアップロードする」となり、現場にExcelでのID台帳管理が残る形となります。そのため、ID台帳の項目は変更しやすい柔軟な仕組み作りが必須となります。


脱 Excel を進めるうえではこれまでのExcel運用でできていたID管理のポイントを整理し、仕組化することが大切です。そのうえで、Excelでは実現できなかった前述のような仕組みも取り入れることが重要です。

脱Excelを進めるうえでID棚卸について知りたい方は下記の記事もご覧ください。

効率化のカギは脱Excel!ID棚卸業務を改善する方法とは?

3. アカンサスを活用して Excel での管理から脱却した事例

auカブコム証券株式会社様では、以前はシステム担当者が個別にIDをExcelで管理されていました。しかし、作業が煩雑で負担も大きく、正確性も問題視され作業効率化のためにアカンサスを導入したところ、従来は最長 1~2ヶ月かかっていたID棚卸を1週間に短縮することに成功しました。さらに、新バージョンのアカンサスでID棚卸をクラウド化したことで、複数名体制で利用できるようになりました。これにより属人的な棚卸方法が見直され、より効率的で正確な ID 管理を実現しています。同社では今後も、ID棚卸を含めたID管理全体のさらなる効率化と正確性向上を目指していくとのことです。

auカブコム証券様の導入事例はこちら

脱Excelを実現するアカンサスの機能

アカンサスでは、前章でご紹介した1~4を実現することが可能です。本記事では、2 の「人」単位でのID 情報が紐づく仕組みをご紹介します。

アカンサスは、「人」単位の軸となる「人事マスタ」を手軽に作成・メンテナンスできる仕組みを用意してます。

多くの企業様より「人事データはあるけど網羅された人事マスタはない」というお声をいただきます。
その背景には「人事システムには正社員一覧のみ」「契約社員は各部門のマネージャーが管理」といったように業務や雇用方法によって管理がばらばらなためです。

そこで、アカンサスは管理元の異なる複数の人事データをそのままインポートいただくことで、従業員マスタ(人事マスタ)を作ります。
マージする際も、これまで人手によって修正せざるえなかった「部署表記のゆらぎ」や「同一人物の名寄せ」をアカンサスがサポートし、「人」単位の従業員マスタを作成します。
そして、業務システムごとのID台帳で管理されていた所有情報は、社員ごとの保有一覧として確認できるマトリクス形式のレポートでいつでも確認いただく事が可能です。

多様化するシステム ID の一元管理を実現する「アカンサス」

アカンサスなら異なるシステムであっても ID の一元管理が可能です。ID 管理の効率性や正確性を格段に向上させ、業務負担やリスク低減に貢献するアカンサスの導入をぜひご検討ください

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「ID棚卸の新常識、Excelに頼らないID管理術」

Work illustrations in this article by Storyset

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